| 確認段階 | 判断ポイント |
|---|---|
| 売上 | 返品・キャンセル控除後 |
| 変動費 | 原価・手数料・物流・値引き |
| 広告 | 媒体費・KOL費・制作費 |
| 利益 | 商品別限界利益と回収期間 |
1. 広告費を売上比率だけで見ない
広告費率が同じでも、値引き、プラットフォーム手数料、物流、返品、TP会社費用が違えば利益は変わります。まず受注売上ではなく返品控除後の売上を起点にし、商品別に限界利益を計算します。
広告費率20%が高いか低いかは、粗利率と再購入で変わります。粗利率が70%の商品と30%の商品では、同じ広告費率でも残る利益が違います。ブランド全体の平均ではなく、広告対象SKUごとに計算します。
| 確認項目 | 計算例 | 判断 |
|---|---|---|
| 返品後売上 | 注文売上-キャンセル-返品 | 実際に残る売上 |
| 広告前利益 | 返品後売上-原価-値引き-物流-手数料 | 広告に使える原資 |
| 広告後利益 | 広告前利益-媒体費-制作費-KOL費 | 施策の採算 |
2. ROASの前提をそろえる
ROASは広告経由売上を広告費で割った指標ですが、自然検索や小紅書REDからの流入を重複計上すると実態より良く見えます。計測期間、アトリビューション、クーポン、キャンセルを統一して比較します。
媒体の管理画面は、それぞれ自社広告の貢献を広く計上する傾向があります。同じ購入が検索広告、リターゲティング、KOL投稿の複数レポートに入ることもあります。媒体別数字を単純合計せず、店舗側の実注文を基準にします。
比較表には、クリック後何日までを成果とするか、閲覧のみの接触を含むか、税込み売上か、返品を差し引くかを明記します。条件が違うROASを横並びにしないことが重要です。
3. 新規獲得と既存購入を分ける
新規顧客向け広告は初回利益が低くても、継続購入で回収できる場合があります。一方、再購入者への広告が売上の多くを占める場合は、広告を止めた時の減少幅を検証し、過剰投資を避けます。
- 初回購入者数と1人当たり獲得費用
- 30日、60日、90日以内の再購入率
- 初回と再購入を合わせた顧客別利益
- 広告なしでも購入した可能性が高い既存顧客の割合
回収期間が長い商品では、短期ROASだけで広告を停止すると将来売上を失う可能性があります。ただし、再購入実績がない段階で将来価値を楽観的に置かず、実績値で更新します。
4. 商品別の損益分岐点を出す
販売価格から原価、値引き、手数料、物流、返品見込みを引き、広告に使える上限額を出します。セット商品と単品、保税倉庫と直送では構造が違うため、平均値だけで判断しません。
例えば返品後売上100元に対し、原価30元、値引き10元、手数料・物流20元なら広告前利益は40元です。最低10元の利益を残すなら、許容広告費は30元までとなります。この上限を商品ごとに持つと、売上だけを追う配信を防げます。
集客商品は初回利益が低くても、利益商品の同時購入や再購入につながることがあります。セット購入率と商品間の移行を確認し、単品採算と顧客全体採算を分けます。
5. 予算変更は小さく検証する
成果が良い月でも急に予算を倍増せず、商品在庫、配送能力、レビュー対応を確認します。二週間から一か月単位で増減し、粗利額、在庫日数、新規顧客比率を同時に見ます。
6. まとめ
広告費が高いかどうかはROASだけでは決まりません。返品後売上から変動費を引き、商品別の広告上限と顧客獲得の回収期間を出します。自然流入との重複、在庫、配送、CSも確認し、売上を増やす予算ではなく利益を残せる予算として管理します。