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1. TP会社とは何か
「TP会社」は、もともと淘宝(タオバオ)・天猫(Tmall)のプラットフォーム上で、出店企業に代わって店舗運営を代行する認定パートナー企業を指す言葉として使われてきました。現在では対象がTmall Globalだけでなく、JD(京東)、Douyin EC(中国版TikTokのEC)、小紅書REDの連動販売まで広がり、越境EC全般の運営代行会社を指す総称として使われています。
単なる「作業代行業者」ではなく、店舗ページの運営、広告出稿、顧客対応(CS)、在庫・物流調整、キャンペーン参加判断まで一括して担う実務パートナーという位置づけが実態に近いです。
2. 他社との違い
TP会社は、広告代理店や制作会社、貿易商社と混同されやすいですが、担う範囲が異なります。以下は代表的な違いです。
| 企業タイプ | 主な役割 | TP会社との違い |
|---|---|---|
| 広告代理店 | プラットフォーム内広告の出稿・運用が中心。 | 店舗運営やCS、在庫調整までは通常含まない。 |
| 制作会社 | 商品ページ・バナー・動画の制作が中心。 | 日々の運営や広告の予算配分までは担わない。 |
| 貿易商社 | 輸出入・通関・国内物流の実務が中心。 | 店舗運営やSNS連動などマーケティング機能は薄い。 |
| TP会社 | 店舗運営・広告・CS・在庫調整・企画参加を一括で担う。 | 実務パートナーとして経営判断に近い提案まで行う場合がある。 |
3. 任せられる業務
ただし、任せられる業務の範囲はTP会社ごとに得意分野が異なります。広告運用に強い会社、商品ページ改善に強い会社、小紅書REDなどSNS連動に強い会社など、実際の強みを事前に確認しておくことが重要です。
4. 必要な企業
TP会社の活用が特に有効なのは、中国国内に自社拠点や現地スタッフを持たない企業、越境ECへの参入が初めてで運営ノウハウがない企業、限られた人員でプラットフォーム運営まで手が回らない企業です。逆に、すでに中国語対応できる自社チームを持ち、店舗運営のノウハウが社内に蓄積されている企業は、広告運用や制作だけを部分的に外部委託する形の方が費用対効果が高い場合もあります。
自社の体制がどちらに近いかを整理した上で、TP会社に「全面委託」するのか、「特定業務のみ委託」するのかを決めておくと、契約後のミスマッチを防ぎやすくなります。
5. 費用構造
TP会社の費用は、月額の運用手数料、売上に応じた歩合(コミッション)、広告費の実費とマージン、初期の店舗構築・制作費で構成されるのが一般的です。以下は費用構成の一般的なイメージです。
6. TP会社を評価する月次項目
TP会社との会議では、売上報告を受けるだけでなく、どの業務を任せ、どの判断を自社に残し、成果をどの数字で評価するかを確認します。
- 店舗運営、広告、CS、物流、商品ページ、ライブ配信の責任分担と承認権限を確認する。
- 管理画面の売上、広告、在庫、返品の定義と、月次報告の数値が一致しているか確認する。
- 商品別の粗利、在庫日数、広告費、返品理由を基に、運用課題を特定する。
- アカウント、顧客データ、商品素材、広告履歴を自社が引き継げる状態か確認する。
- 次月の改善項目、TP会社の成果物、評価指標、見直し時期を決める。
7. 月次報告を改善サイクルへ変える
TP会社との関係は「任せて終わり」ではなく、月次報告をもとに継続的に改善していくことが重要です。月次報告では、売上そのものだけでなく、以下のような流れで確認するのが基本になります。
選定時には、会社規模や有名企業の実績だけで判断しない方が安全です。大手TP会社でも、自社カテゴリに強いとは限りません。逆に小規模でも、特定カテゴリの商品ページ改善や小紅書RED連動に強い会社もあります。重要なのは、自社の商品、価格帯、販売目標、社内体制に合っているかです。
8. まとめ
TP会社は、中国越境ECを動かすうえで非常に重要なパートナーです。ただし、TP会社は魔法の販売代理店ではありません。商品力、価格、広告予算、在庫、ブランド方針が曖昧なまま任せても成果は出にくくなります。
日本企業は、TP会社に何を任せ、何を自社で判断するのかを先に決めるべきです。店舗運営はTP会社、ブランド方針と利益判断は自社。この分担ができるほど、中国越境ECの失敗確率は下がります。