この記事の要点:TP会社の報告を「売上の説明」で終わらせず、利益、在庫、広告、次月アクションまで一つの経営資料として読む方法を整理します。
確認段階判断ポイント
販売返品後売上・販売数量
採算粗利・広告・物流・固定費
在庫回転日数・欠品・期限
実行担当者・期限・次月KPI

1. 報告書の数字を会計と合わせる

TP会社の受注売上と、自社が認識する返品後売上を区別します。対象期間、通貨、税、キャンセル、プラットフォーム補助金の扱いを確認し、前月・前年との比較条件をそろえます。

最初に確認したいのは、レポートの「売上」が注文時点、出荷時点、入金時点のどれなのかです。大型セールの月は注文額が大きくても、キャンセルや返品を差し引くと実売上が下がります。人民元から円へ換算するレートや、クーポンをブランド負担とするかプラットフォーム負担とするかでも数字が変わります。

自社の会計数字と差が出た場合は、未出荷、返品、未入金、為替、税、補助金に分けます。毎月同じ定義で比較できるよう、レポート冒頭に集計期間、売上計上時点、換算レートを明記してもらいます。

2. 売上から利益へ順番に見る

売上、粗利、広告・物流控除後利益、固定費控除後利益の順に確認します。売上増加だけを成果とせず、値引き、手数料、返品、TP費用がどこに含まれるかを明細で確認します。

確認する数字計算・確認内容見落としやすい費用
実売上注文額-キャンセル-返品返金処理中の注文
限界利益実売上-原価-販売連動費値引き、決済、物流
営業利益相当限界利益-広告-固定費TP月額費、制作費、保管費

商品別に利益を見ることも重要です。売上上位の商品が低粗利で、広告を止めると売れない状態なら、売上成長が利益成長にはつながりません。主力商品、集客商品、利益商品を分け、それぞれの役割に応じた目標を置きます。

3. 在庫と資金を同時に確認する

販売数量だけでなく、在庫数、在庫金額、回転日数、期限、入庫予定を見ます。売れ筋欠品と不良在庫を商品別に分け、次回発注の責任者と期限を決めます。

在庫回転日数は「現在庫÷直近30日販売数×30」で概算できます。ただし大型セール直後は販売数が一時的に増えるため、90日平均も併記します。化粧品や食品は使用期限、パッケージ変更、規制変更も在庫評価に影響します。

  • 欠品予定日と次回入庫日が逆転していないか
  • 90日以上動いていない在庫の金額はいくらか
  • 返品在庫を再販売できる条件が明確か
  • セール用の追加発注を誰が承認するか

4. SNSとECの導線をつなぐ

小紅書RED、Douyin、KOL施策は投稿数ではなく、指名検索、商品ページ流入、クーポン、購入への影響を確認します。媒体別レポートをEC売上と別冊にせず、同じ商品・期間で比較します。

投稿公開日、ブランド名検索数、商品ページ訪問数、カート追加、購入を同じ時系列で並べると、SNS施策の影響を読みやすくなります。直接購入だけを成果にすると比較検討への寄与を見落とし、再生数だけで評価すると売上との距離が分かりません。

専用クーポンを用意できない場合でも、投稿前後の検索数、対象商品の流入、問い合わせ内容を記録します。完全な因果関係ではなくても、次回の投資判断に使える共通指標を継続します。

5. 月次会議で決定事項を残す

未達理由を説明するだけで終わらず、価格、広告、在庫、商品ページ、CSの次月対応を決めます。担当者、期限、必要予算、確認指標を議事録に残し、翌月冒頭で完了状況を確認します。

01
事実を確認
定義をそろえた数字と前月差を確認。
02
原因を分ける
価格、広告、在庫、ページ、CSに分解。
03
行動を決める
担当者、期限、予算、完了条件を固定。
04
翌月検証
前回の決定が実行されたか確認。

6. まとめ

TP会社の月次レポートは説明資料ではなく意思決定資料です。返品後売上を起点に、商品別利益、在庫回転、SNSから商品ページまでの導線を確認します。月次会議では原因説明よりも、誰がいつまでに何を変え、どの数字で効果を確認するかを残すことが重要です。